施設の特徴
1.コンパクトな施設
鹿児島県動物愛護センターは木造平屋建て,建築部分の面積はフリースペース(屋根付広場)を合わせても約480平方メートルと,かなりコンパクトな施設です。
もっと広くしてたくさんの機能を持たせたり,多くの動物を収容できるようにした方が良いという意見もありましたが,施設が大きくなると維持管理にも多くの費用や人手が必要となります。
建物はコンパクトに,その中で工夫してできることを考えていくというのが,鹿児島県動物愛護センターの考え方です。
2.処分設備を持たない施設
鹿児島県動物愛護センターには,動物を処分したり焼却したりする設備はありません。
ただ,鹿児島県が動物の処分をまったくしていないというわけではありません。(別の場所に施設があります)
やむを得ず処分となる犬・猫がいるのは事実ですが,その数をできるだけ減らしていきたいというのが私たちの目標です。
鹿児島県動物愛護センターは処分や焼却の設備を持ちませんので,小さな子供さんでも安心して見学していただくことができます。
しかし,別の場所で処分となっている動物たちがいることも,それが理解できる年齢以上の方々にはしっかりとお伝えしなければならないと私たちは考えています。
3.周囲の環境に配慮した施設
動物愛護センターは犬や猫を飼いますので,動物のにおいや鳴き声,排水などにより周囲の環境に影響が及ばないように配慮しています。
におい対策
動物愛護センターの館内には,このような機械がいくつか設置されているのを見ることができます。
これはpHを弱酸性に調整した次亜塩素酸水を細かい霧状にして噴霧する装置で,人体や動物へは影響がありませんが,空気中のウィルスや悪臭の元となる物質に対して影響を及ぼし,感染症予防やにおい対策に効果があるということで大学の実験動物施設などで導入が進められているものです。
この水は消毒用としても使えますので,動物愛護センターでは手洗い用の蛇口としてもいくつか設置をしています。


鳴き声対策
動物愛護センターでは基本的に動物を屋内飼育しています。特に鳴き声が心配される犬を飼育する部屋では,壁をコンクリートにしたり吸音材を使用したり,防音にできるだけ配慮した施設となっています。

排水対策
周辺環境への影響をできるだけ減らすために,動物愛護センターでは浄化槽を設置しています。
4.動物に配慮した施設
感染症予防
動物愛護センターでは,館内で感染症が蔓延するのを防ぐために次亜塩素酸水の噴霧を行っている他,犬や猫が生活するケージを清潔に保ち,職員は手洗い・消毒の頻度を増やすなど様々な取り組みを行っています。
ストレス予防
動物たちも人と同じでストレスを感じます。ストレスがかかると免疫力も低下し,感染症にもかかりやすくなってしまいます。
ストレス軽減のため,犬はできるだけ屋外で運動する時間をもち,猫もふれあい室などを利用し,運動できるよう心がけます。
また,人とのふれあいも時間を決めて行うなど,動物福祉にも配慮した施設を目指します。